2005年07月21日

クリュッグ(KRUG) 1990

KRUG シャンパーニュは基本的にノンミレジム、つまり年代を表記しないものがほとんどです。 これは複数年にわたるワインを混ぜ合わせ(アッサンブラージュ)、常に品質を一定させる手法を取っています。しかし良作年にはその年だけで作られたシャンパンも作られ、通常より長い熟成期間を経て販売されます。

 クリュッグというシャンパンは、ノンミレジムでも15000円くらいするシャンパンハウスで、すべてがプレステージという評価を受けています。今回飲んだのはそれの1990年。

 シャンパーニュにおける20世紀でのグレートイヤーは、1955年、1985年、1989年、そして1990年です。
これらのミレジムは大部分がミレニアムのお祝いで飲まれてしまい、今はあまり残ってないのが現状です。ま、とは言っても手に入らないわけではないんですけどね。

 実はこのKRUGは、なんと去年発売され始め、実に14年の熟成期間を経ています。1990年はそれだけの熟成に耐えられ、飲み頃になるまでは決して妥協しない姿勢が見られます。

前置きはこれくらいで、テイスティングコメントを。
色はゴールドに近い濃いイエロー、泡は非常にきめ細かくかつ力強いですね。
香りはグレープフルーツやライムなどの柑橘系の香りと、白桃などの香り。
なんといってもトーストやバターなどの香りが豊富ですね、これは瓶内二次発酵による酵母から来る香りです。えーとわかりやすく言えばダシの香りです(笑)、もう鰹ダシかってくらいのレベルですね。
あとは、ナッツやヴァニラなどの樽からくる香り、紅茶や枯葉などの熟成香。
味わいはきめ細かい泡とともにとてもヴォリューム感のある果実味が感じられ、中盤から終盤にかけて丸みのある酸味が広がります、アフターはやや長く7~8秒、とてもボリューム感のある辛口白のスパークリングワインです。

 さすがにピノ・ノワールの印象が強いのでブラン・ド・ブラン(シャルドネ100%)じゃないだろうと思いましたが、調べてみるとピノ・ノワール47%前後、シャルドネ29%前後、ピノ・ムニエ24%前後だそうで、ピノ・ノワールが半分くらいなんですね。ヴォリューム感があるので、ここまでくると肉料理にだってあわせていけそうです。 ただ繊細さがあるので、イタリアンじゃなくてフレンチあたりの方がいいんでしょう。個人的には和食にワインを合わせるのは好きじゃないんですが、和食でも問題ないと思います。

 最高のシャンパーニュです。目から鱗が落ちるような味ではないですけど、誰にでも愛される懐の深さを保ちつつ、その場を盛り上げるには十分なクオリティ。

 余談ですけど、ブラン・ド・ブランを身上としているサロンと比べてみると面白いかも。今度買ってみよっと。

KRUG 1990(ワインハート)



投稿者 れい : 2005年07月21日 13:43