2004年08月09日
嗤う伊右衛門
嗤う伊右衛門という映画をDVDでみましたので感想です。京極夏彦が書いた小説の映画化なのですが、四谷怪談のお話です。とは言っても、元々の四谷怪談自体はよく知らないのですが・・・。
小説を元にした映画というのはどうしても内容を削らなくてはいけない部分が出てくるため、カットや描写の説明などがなされない部分が多かったりするのですが、そこをどう描くかが監督の腕の見せ所になると思います。ストーリー仕立ての映画ならエピソードを削ったりも出来るのですが、ストーリーが複雑に絡み合うような小説の場合そう言うわけにも行きません。結果細かい描写が削られていき、小説を見たこと無い人間にとっては非情に抽象的な描写が多い映画となります。この映画はそういう抽象的な描写が結構多くなってしまっているため、見る人によっては退屈な映画と見えてしまうと思います。
自分も小説は読んだことはなかったのですが、この映画は楽しめました。たしかに抽象的な描写が多く、それに対する説明もほとんどなされないのですが。因縁がテーマとなるストーリーの緻密さから意外なからみ方も新鮮で、引き込まれるような映画でした。もの悲しい話ですが、人はどう変わっていくのかという本質的なことを考えさせられる映画だと思いました。
演出が稚拙な部分もありますが、小説を読み慣れない自分にとっては、ここまでストーリーのしっかりした話は久し振りでとても楽しめる物でした。暗く静かにみるといいと思います。
投稿者 れい : 2004年08月09日 15:29